帯の歴史

帯の歴史

現代では着物に無ければならない帯。
様々な柄や結びで着物を引き立てます。
今回はそんな帯の歴史のお話をさせていただきます。

 

日本には最初、帯らしい帯は無く、紐が帯の役割でした。
奈良時代〜平安時代にも紐帯のようなものがありましたが、
応仁の乱(1467年)頃までは上流階級の正式の服装としての帯は存在しませんでした。

 

応仁の乱のとき、京都から避難して山口の港町などに来ていた職工たちがいました。

 

その頃、中国・朝鮮・南蛮との貿易が盛んだったため、
その織工たちは、それらの国の織りの技術を得ることができました。

 

そして京都へ戻った織工たちは、その技術を使い織物を始めました。
それが西陣織りの始まりとなりました。

 

西陣では、錦・金欄・緞子(どんす)・繻(しゅ)・縮緬(ちりめん)・錦紗(きんしゃ)・沙綾(さや)などの織物が誕生しました。
この織物がのちに幅のある帯へといかされていくことになります。

 

この頃の帯はまだ全て細かいくけ紐(表地になる側を外して二つ折りにし、縫い付けるところを内側に折り返し縫い代を作る。そこを糸が表に見えないように縫い、中にワタなどをつめた紐。)でしたが、桃山時代から江戸初期にかけて名護屋帯が流行します。

 

名護屋帯と名古屋帯は読み方は一緒ですが、別物です。
名護屋帯は、紅・白・金糸・青黄糸を使って、丸く縄のように編んだものの両端に長い房が付いた型状の帯です。

 

そんな帯が流行していた中で、平ぐけ帯(幅約6cm位の帯)も男女問わず使われていました。
この頃は帯幅が6〜9cm位と、庶民の方がより幅広い物を自由に扱っていました。

 

結び方は、腰の辺りに巻き付けた後帯の端を帯の間にねじ込むというシンプルな方法でした。
より広い幅の帯を締め始めたのは遊女たちで、寛永(1624〜1643年)の頃には約15cm位の幅の帯を扱っていました。

 

幅広の帯が一般的になったのは寛文(1661〜1627年)から元禄(1688〜1703年)にかけてです。
この頃より、帯の幅広化加速していくことになります。

 

延宝(1673〜1680年)に人気だった役者の上村吉弥がそれをおおいに手伝う事になるのです。
彼は花見に行く娘の帯結びをみて、それを参考にして幅の広い両端に鉛を入れて、結び余りが垂れるようにし「吉弥結び」で舞台に立ったのが大評判になり、それがきっかけとなったと言われてます。

 

元禄に入ると、27cm近く幅のある帯が扱われるようになります。
素材も様々で、繻子(しゅす)・綸子(りんず)・モール織り・ビロード織り・緞子(どんす)・繻珍(しゅちん)・唐織などの織物ばかりでなく、友禅や刺繍、絞り染めの帯も生まれました。

 

天和(1681〜1683年)には、昼夜帯(表と裏に異なる柄の布あお縫い合わせたリバーシブル帯。)もすでにあったようです。

 

帯の結び方は男女問わず「石畳」や「かるた結び」などで、前・脇側・後ろと自由な位置に結んでいたが、のちに未婚女性の後ろに、既婚女性は前にと風習ができます。
享保(1716〜1735年)以降は、帯の幅約27cmと長さ約360cmの形が基本的なサイズになります。

 

結び方の種類はどんどん増えていきました。
「文庫結び」は宝暦(1751〜1764年)から明和(1764〜1771年)の頃。

 

文化十年(1813)江戸亀戸天神の太鼓橋が再建され完成したとき深川の芸者がそれにちなんで結んだのが「太鼓結び」の始まりと言われています。(ちなみに帯締めはこの時より少し前から存在したのですが、、一部の上流階級の人しか使っていなかったようです。帯締めは「太鼓結び」が流行したことで扱う事が増えたものの、一般的になったのは明治時代、「太鼓結び」が一般的に定着したころです。)

 

年齢や未婚・既婚に関係なく、帯を後ろに結ぶようになったのもこの頃。
大きな結びが前にあると結婚後炊事などがしづらい事が理由としてあったようです。

 

明治時代、染めは写し糊による型染め、織りは西陣技術者によるジャガード織の輸入などあり、帯が現在使われている種類のものが登場していきます。

 

明治時代の帯は長さが約324cmの丸帯が主流でしたが、明治30年代から女性の着物の改良をしようとする運動が盛んになり、大正9年に「日本服装改善会」が発足してほどなくして、名古屋帯が考え出されました。

 

丸帯より締め易いようにと生みだされました。
このように現代の帯が確立したのは実はそれほど昔の事ではありません。

 

時代の求めるものに応じて変化していきました。
その変化は今でも起こっています。

 

ファッションの流行は「次に流行するのは真逆のもの」というのが歴史を見ても明らかなので、今後はより普段使いの気軽にできる帯にスポットを当てたものが誕生していくかもしれませんね。

 

是非その流れを見物なさってください。

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